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『坪庭って言葉は聞くけれど、普通の庭と何が違うの?』と思っている方も多いですよね。
結論から言うと、坪庭とは建物や塀に囲まれた、とても小さな庭のことです。広さの決まりはなく、玄関わきや和室の前、浴室の外など、家の一角に作られます。
この記事を読めば、坪庭の意味と由来、家のどこに作るとどう生きるか、作る前に知っておきたいことが分かりますよ。
坪庭とは?建物に囲まれた小さな庭のことです
坪庭は、建物の内側や建物と塀のすき間など、周りを囲まれた小さなスペースに作る庭です。歩き回って楽しむ庭ではなく、室内から眺めたり、光や風を取り込んだりするのが主な役目です。
坪庭とはどんな庭なのか、まずは特徴から見ていきましょう。
名前に「坪」と入っているので、1坪ぴったりの庭だと思われがちなんです。でも実際は、広さで決まる言葉ではありません。
| 見るところ | 坪庭の特徴 |
|---|---|
| 場所 | 建物の内側、建物と塀のすき間、家の一角 |
| 広さ | 決まりはない。畳1枚分ほどの小さなものもある |
| 楽しみ方 | 室内や廊下から眺める。中に入って過ごすことは少ない |
| 主な役目 | 景色を作る、光と風を家の中に入れる |
| よく使う素材 | 石、砂利、苔、竹、低めの木、灯籠など |
例えばこんな場面を思い浮かべてみてください。
玄関の戸を開けると、正面のガラス越しに竹と白い砂利が見える。和室の障子を開けると、小さな景石と苔が目に入る。こうした「切り取られた小さな景色」が坪庭なんです。
坪庭と、庭の中に作る坪庭風のスペース
最近は、庭の一角を塀や植栽で区切って、坪庭風に仕上げる例も増えています。
広い庭の中に、囲まれた小さな景色を作るイメージです。庭の中の坪庭、つまり「庭坪庭」のような使い方ですね。
『うちは建物に囲まれた場所がないから無理かな』と思った方も大丈夫です。
塀やフェンス、目隠しの板で三方を囲めば、坪庭らしい落ち着いた空間は作れます。厳密な定義にこだわるより、「囲まれた小さな景色」を作れるかどうかで考えてみてください。
坪庭とよく比べられるのが中庭です。中庭は人が出入りして使うことも多く、坪庭より広めのものを指すことが多いんです。違いをくわしく知りたい方は、坪庭と中庭の違いも読んでみてください。
坪庭はどこから来た?京町家に見る由来と役割
坪庭の代表例としてよく挙げられるのが、京都の京町家です。建物が密集した町並みの中で、光と風を家の奥まで届ける役目を担ってきました。
坪庭の由来を知ると、なぜ小さな庭がこんなに大事にされてきたのかが見えてきます。
政府広報オンラインの「京町家の坪庭」では、京町家は表通りに面した間口が狭く、奥に向かって長く延びた「ウナギの寝床」と呼ばれる造りだと紹介されています。そして建物の内部に「坪庭」と呼ばれるとても小さな庭が作られている、と書かれています。
隣の家との間がわずかしかないので、家の奥は暗くなりがちですよね。
そこで坪庭を設けて風の通り道を作り、光と風を取り込むことが役割の一つだと説明されています。
京町家の坪庭はどんな景色?
同じ記事では、京都生活工藝館無名舎(吉田家住宅)が例として紹介されています。1909年に建てられ、国の登録有形文化財に指定された町家です。
間口約10メートル、奥行き約40メートルの敷地に、大小2つの坪庭があるそうです。そのうちの一つは4.6メートル×3.3メートルの小さな庭と紹介されています。
植えられているのは、棕櫚竹や紅葉、侘助(椿の一種)など。ほかに様々な石や灯籠が置かれています。

「市中の山居」と言い、市中にありながら山里の草庵を思わせる風情をも表現している。
出典:政府広報オンライン Highlighting Japan「京町家の坪庭」
町の中にいながら、山里のような静けさを感じられる。これが坪庭の大きな魅力なんです。
京都市も京町家の特徴に坪庭を挙げています
京都市の京町家チェックシートでは、京町家の形や意匠の項目の一つとして「坪庭又は奥庭」が挙げられています。通り庭や格子などと並ぶ、京町家らしさの要素というわけですね。
くわしく読みたい方は、政府広報オンライン「京町家の坪庭」を開いてみてください。
NHKの「美の壺」のスペシャル「庭園」では、京町家で受け継がれてきた坪庭と伝統行事が取り上げられました(初回放送日 2022年2月12日)。美の壺の坪庭の回を見て興味を持った、という方もいるかもしれませんね。
坪庭の3つの役割|家のどこに作るかで生きる役割が変わります
坪庭の役割は「眺める」「光と風を取り込む」「通り抜けながら楽しむ」の3つに分けて考えると、場所選びで迷いにくくなります。どの役割をいちばん大事にするかで、向く場所と作り方が変わるんです。
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
坪庭の話は、デザインや植物の選び方から始まることが多いですよね。でも実は、先に「その坪庭に何をしてほしいか」を決めた方がうまくいきます。

| 役割 | 向いている場所 | 作る時に大事にしたいこと |
|---|---|---|
| 眺める庭 | 和室の前、リビングの窓の外、玄関の正面 | 窓から見た時の構図。主役を1つ決める |
| 光と風を取り込む庭 | 家の中央、北側の部屋の外、浴室や廊下の外 | 背の高い木で光をふさがない。風の抜け道を残す |
| 通り抜ける庭 | 玄関アプローチ、勝手口までの通路、建物と塀のすき間 | 足元の歩きやすさ。飛び石や砂利の配置 |
眺める庭は「どこから見るか」を先に決めます
和室の前やリビングの窓の外に作る坪庭は、眺めることが主役です。
座った時の目線なのか、立った時の目線なのかで、景色の見え方はかなり変わります。窓の枠を額縁に見立てて、どこに石や木を置くかを考えてみてください。
『窓から見て、何がいちばん目に入るか』を一つ決めるだけで、景色がまとまりますよ。
光と風を取り込む庭は「ふさがない」が大事です
京町家の坪庭のように、家の奥に光と風を届けたい時は、植えすぎないことがポイントです。
背の高い木を何本も植えると、せっかくの光をさえぎってしまいます。低めの植物や砂利を中心にして、空が見えるように仕上げましょう。
浴室や廊下の外に作る場合は、外からの目線もセットで考えておきたいところです。
通り抜ける庭は「歩きやすさ」を忘れずに
玄関アプローチや、建物と塀のすき間に作る坪庭は、通りながら目に入る景色です。
見た目を優先して大きな石を置きすぎると、足元が狭くなって歩きにくくなることも。飛び石や平らな石を使って、毎日通る道として無理がないかを確かめておきましょう。
家の場所ごとに、坪庭はこう生きます
役割が分かったところで、実際の家の場所に当てはめてみましょう。
同じ坪庭でも、どこに作るかで向いている景色や素材はかなり違います。
| 作る場所 | 生きる役割 | 景色づくりのヒント |
|---|---|---|
| 玄関わき・玄関の正面 | 眺める・通り抜ける | 戸を開けた瞬間に目に入る位置に主役を置く |
| 和室の前 | 眺める | 座った目線で見て、石や苔が近くに見える高さに |
| リビングの窓の外 | 眺める・光と風 | 家族が過ごす時間に合わせて、季節の木を1本 |
| 浴室の外 | 光と風 | 目隠しを兼ねて竹や格子を組み合わせる |
| 廊下や階段の横 | 光と風 | 低めの植物と白っぽい砂利で明るく見せる |
| 建物と塀のすき間 | 通り抜ける | 飛び石や平らな石で、通路として使いやすく |
『うちは玄関も和室もあるけど、どこに作ればいいの?』と迷ったら、いちばん長く過ごす場所から見える位置を選んでみてください。
毎日目に入る場所にあると、季節の変化に気づきやすくなります。せっかく作るなら、見る回数が多い場所の方が楽しめますよね。
例えば、共働きで日中は家にいない家庭なら、朝と夜に通る玄関や、夜にくつろぐリビングから見える場所が向いています。夜に眺めるなら、足元を照らす照明もあわせて考えておくと景色が生きますよ。
- その場所をどの部屋や通路から見るかを書き出す
- 一日のうち、日が当たる時間帯を見ておく
- 風が通るか、湿気がこもりやすいかを確かめる
- 雨水がどこに流れていくかを確認する
- 手入れの時に入れる通路があるかを見る
坪庭のスタイルと広さの目安
坪庭のスタイルは、和風・和モダン・モダン・洋風・枯山水の5つが代表的です。広さは1坪(約3.3平方メートル)に満たない場所でも作れるので、スタイルを先に決めて広さに合わせて要素を減らすのがコツです。
『和風しか似合わないのでは?』と思う方もいるかもしれません。
実は、坪庭のスタイルはかなり自由なんです。家の雰囲気や、窓から見る部屋のインテリアに合わせて選んでみてください。
| スタイル | よく使う素材 | 向いている家・場面 |
|---|---|---|
| 和風 | 景石、苔、もみじ、竹、灯籠 | 和室がある家、落ち着いた景色にしたい時 |
| 和モダン | 黒や灰色の砂利、竹、直線的な石、間接照明 | 和の雰囲気を残しつつすっきり見せたい時 |
| モダン | タイル、直線の縁取り、シンプルな植栽 | 白やグレーを基調にした家 |
| 洋風 | レンガ、草花、小さなオーナメント | 洋室から眺める時、花を楽しみたい時 |
| 枯山水 | 白い砂利、景石 | 水を使わずに静かな景色を作りたい時 |
和風の坪庭をくわしく知りたい方は、和風の坪庭づくりのコツで、石・苔・植栽の組み合わせ方を紹介しています。
広さはどのくらいあれば作れる?
堺市の統計書の換算表では、1坪は3.3058平方メートルとされています。おおよそ畳2枚分の広さですね。
坪庭は、この1坪より小さなスペースでも十分に作れます。逆に京町家の例のように、4.6メートル×3.3メートルほどの坪庭もあるんです。
| 広さの感覚 | できることの例 |
|---|---|
| 半坪より小さい(畳1枚弱) | 砂利と石1つ、または鉢植え1つで景色を作る |
| 1坪前後 | 低めの木1本と石、苔や下草を組み合わせる |
| 2〜3坪 | 木を2本ほど、飛び石や灯籠などの添景物も置ける |
1坪の坪庭でどこまでできるかは、1坪の坪庭でできることで広さ別のレイアウト例を紹介しています。
広さに対して要素を詰め込みすぎると、小さな坪庭はすぐにごちゃついて見えます。石も木も「1つ減らせないか」と考えるくらいがちょうどいいですよ。
坪庭の魅力と、作る前に知っておきたいこと
坪庭は小さな面積で家の中に季節を持ち込めるのが魅力です。一方で、日当たり・排水・手入れの通路を考えずに作ると、あとで困ることがあります。
坪庭の良いところと、気をつけたいところを並べてみますね。
- 小さな面積でも家の中から季節を感じられる
- 光や風を家の奥まで届けやすくなる
- 外からの視線を気にせず景色を楽しめる
- 広い庭より手入れの範囲が小さく済む
- 囲まれているので日当たりが悪くなりやすい
- 雨水が抜けないと、湿気や水たまりの原因になる
- 手入れのために入る通路がないと掃除しにくい
- 植物が育つと、狭い場所では窮屈になる
『小さいから手入れは楽でしょう?』と思いますよね。
確かに範囲は小さいのですが、囲まれている分、落ち葉が溜まりやすかったり、苔が乾きにくかったりします。手入れが楽かどうかは、作り方次第なんです。
小さな坪庭でも、季節の移り変わりは楽しめます
坪庭のいちばんの楽しみは、窓の外で季節が変わっていくのを眺められることです。
京町家の例にも紅葉が植えられていたように、季節で姿が変わる木を1本入れるだけで、景色はぐっと豊かになります。
| 季節 | 坪庭で楽しめること |
|---|---|
| 春 | 新芽の若い緑、苔が生き生きとしてくる |
| 夏 | 竹や青もみじの葉が涼しげに揺れる。打ち水で石がしっとり見える |
| 秋 | もみじが色づき、落ち葉が砂利の上に映える |
| 冬 | 葉を落とした枝の形や、常緑の竹・苔の緑が引き立つ |
『そんなに手をかけられるかな』と心配な方は、常緑の植物を中心にして、季節の木は1本だけにしておくと手入れが楽になりますよ。
新築なら「設計の段階」で話しておくと楽になります
これから家を建てる方は、間取りを決める時に坪庭の場所を一緒に考えておくのがおすすめです。
排水の位置や、手入れのために出入りできる窓や扉は、あとから付けるのが難しいことがあります。
打ち合わせでは、こんなふうに伝えてみてください。
「和室の窓の前に小さな坪庭を作りたいので、雨水の逃がし方と、手入れで外に出る方法も一緒に考えてもらえますか?」
こう聞いておくと、間取りの段階で必要なことを確認してもらいやすくなりますよ。建てたあとに作る場合も、どこから水が抜けるかは最初に確認しておきましょう。
- どの部屋や通路から見るか、役割を決める
- 日当たり・風・排水を確かめる
- スタイルと主役(石・木・砂利など)を決める
- 素材と植物を選ぶ
- 下地を整えて、石・植物・砂利の順に配置する
それぞれの手順のくわしい進め方は、坪庭の作り方で紹介しています。
費用は広さ・素材・工事の内容で変わります
坪庭の費用は、広さや使う石・植木の大きさ、下地や排水の工事があるかどうかで大きく変わります。
決まった相場で考えるより、やりたいことを伝えて見積もりで確認する方が確実です。費用の決まり方や見積もりの見方は、坪庭の費用で紹介しています。
排水や下地づくり、重い石の据え付けなど、自分では難しい工事がある時は、外構や庭づくりの業者に相談する方法もあります。
坪庭ドットコム
坪庭づくり・外構工事は、まず無料の一括見積もりで比べてみませんか
下地づくりや石の据え付け、水や照明の工事、ウッドデッキとの組み合わせ。自分では難しい部分だけでも任せると、思い描いた景色に近づきます。まずは複数の業者のプランと見積もりを比べてみましょう。
無料外構・エクステリア比較プロの公式サイトを見る料金・対応エリア・見積もり条件は公式サイトで最新情報を確認してください。
坪庭についてよくある相談
Yahoo!知恵袋には、坪庭の法律上の扱いや、狭い場所に植える植物、窓との組み合わせについての相談が寄せられています。どれも作る前に知っておくと迷いにくくなる内容です。
坪庭についてよく見かける相談から、3つ選んで答えますね。
中庭や坪庭は建ぺい率に含まれるの?
土地いっぱいに建物を建てて、真ん中に中庭や坪庭を作ったら、その部分は建ぺい率の計算に入るのか、という相談です。
建築基準法施行令では、建築面積は建物の外壁やこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積と決められています。ただ、坪庭そのものの扱いを定めた公的な説明は見当たりませんでした。
屋根や庇のかかり方など、設計によって扱いが変わることも考えられます。計画中の方は、設計を頼んでいる会社や、お住まいの自治体の建築指導課などで確認してみてください。
三角形の小さなスペースに何を植えればいい?
奥行きと幅が数メートルほどの直角三角形のスペースに坪庭を作りたい、という相談です。斜めの辺は格子で、上に屋根はない場所でした。
形が変わったスペースは、とがった角を無理に埋めない方がすっきり見えます。角には砂利や小さな石を置き、植物は広い側に低めのものを1〜2種類にしぼるとまとまりますよ。
格子越しに見える場合は、格子の外から見た時にどう見えるかも確かめておきましょう。
お風呂の窓とキッチンの窓、どちらを坪庭に向ける?
家を建てる時に、お風呂とキッチンのどちらに窓を付けるかで迷っている、という相談もありました。
坪庭と組み合わせるなら、「どこで長く景色を眺めたいか」で考えるのがおすすめです。ゆっくり過ごすお風呂から眺めたいのか、毎日立つキッチンから見たいのかで答えは変わります。
- その窓の前で過ごす時間が長いのはどこか
- 外からの視線を塀や植栽でさえぎれるか
- 窓を開けた時に風が通るか
- 掃除や手入れのために外へ出られるか
よくある質問
坪庭とは、1坪の広さの庭のことですか?
いいえ、広さで決まる言葉ではありません。建物や塀に囲まれた小さな庭を広く坪庭と呼び、1坪より小さいものも、もっと広いものもあります。
マンションでも坪庭は作れますか?
専用庭やバルコニーで、坪庭風の小さな景色を楽しむことはできます。ただ、置けるものや工事のルールはマンションごとに違うので、管理規約や使用細則を確認してから計画しましょう。
坪庭は和風でないといけませんか?
そんなことはありません。和モダン、モダン、洋風、枯山水など、家の雰囲気に合わせて選べます。窓から見る部屋のインテリアと合わせると、まとまりやすいですよ。
坪庭は自分で作れますか?
砂利を敷く、石を置く、低い植物を植えるといった作業なら、自分で進めることもできます。下地や排水の工事、重い石の据え付けが必要な時は、業者に相談すると安心です。
日当たりの悪い場所でも坪庭は作れますか?
作れます。日陰でも育ちやすい植物を選んだり、白っぽい砂利で明るく見せたりする工夫があります。光を取り込みたい場所なら、背の高い木を植えすぎないようにしましょう。
まとめ
- 坪庭とは、建物や塀に囲まれた小さな庭のこと。広さの決まりはない
- 京町家では、密集した町並みで光と風を取り込む役目を担ってきた
- 「眺める」「光と風を取り込む」「通り抜ける」のどれを大事にするかで、向く場所が変わる
- スタイルは和風・和モダン・モダン・洋風・枯山水など自由に選べる
- 日当たり・排水・手入れの通路を先に確かめると、あとで困りにくい
まずは、家のどの窓から坪庭を眺めたいかを一つ決めてみてください。そこから、坪庭づくりがぐっと具体的になりますよ。





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