和風の坪庭づくり|石・苔・植栽で落ち着いた景色を作るコツ

石・苔・植栽で作る和風の坪庭づくりのコツを紹介する記事のアイキャッチ

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『和風の坪庭にしたいけれど、何をどう置けばそれらしくなるのか分からない』という方も多いですよね。

結論から言うと、和風の坪庭は「石・砂利・苔・木・添景物」の5つの中から主役を1つ決めると、落ち着いた景色にまとまります。全部をそろえようとすると、小さな坪庭はかえってごちゃつくんです。

この記事を読めば、要素の選び方と主役別の3つのパターン、作る手順と手入れのコツが分かりますよ。

目次

和風の坪庭は「主役を1つ決める」と落ち着きます

先に結論

和風坪庭の景色は、石・砂利・苔・木・添景物の5つの要素でできています。小さな坪庭ほど、主役を1つ決めて、ほかの要素は引き立て役に回すのがコツです。

和風の庭と聞くと、立派な石や灯籠、松の木が並ぶ景色を思い浮かべるかもしれません。

でも坪庭は、畳数枚ほどの小さな場所に作ることが多いですよね。そこに全部を詰め込むと、どれも目立たない景色になってしまいます。

要素景色の中での役目坪庭での使い方の例
石(景石・飛び石)景色の骨組み。視線を集める大きめの石を1つ、少しななめに据える
砂利地面を整え、明るさや水を表す白い砂利で明るく、黒っぽい砂利で引き締める
苔しっとりした落ち着きを出す石の根元や木の足元に広げる
木(植栽)高さと季節感を出すもみじや竹などを1〜2本にしぼる
添景物景色に意味や音を加える灯籠、つくばい、竹の垣根などを1つ

例えばこんな景色を思い浮かべてみてください。

白い砂利の上に、少し傾けた景石が1つ。その足元に苔が広がり、奥に細い竹が数本立っている。要素は少ないのに、和の雰囲気がしっかり伝わりますよね。

京町家の坪庭も、棕櫚竹や紅葉、侘助(椿の一種)に、石や灯籠を組み合わせたものとして紹介されています。町の中にいながら山里のような風情を感じさせる、と説明されているんです。

坪庭そのものの意味や由来は、坪庭とは?意味と由来・魅力で紹介しています。

和風坪庭の5つの要素、それぞれの選び方

先に結論

石は大きさより形と向き、砂利は色、苔は場所の湿り気、木は育った時の姿、添景物は数で選びます。どれも「小さな場所に合うか」を基準にすると失敗しにくくなります。

5つの要素を、一つずつ見ていきましょう。

石は「形と向き」で選びます

和風の坪庭で、景色の骨組みになるのが石です。

坪庭では、大きな石をいくつも置くより、形の良い石を1つ選んで、どちらを正面にするかを決める方が景色が引き締まります。窓から見た時に、石のいちばん表情のある面が見えるように据えてみてください。

石の種類や景石・六方石・砂利の使い分けは、坪庭の石の選び方でくわしく紹介しています。

砂利は「色」で雰囲気が変わります

砂利は、地面を整えるだけでなく、景色の明るさを決める大事な要素です。

白っぽい砂利は、囲まれて暗くなりがちな坪庭を明るく見せてくれます。黒や灰色の砂利は、景色をきりっと引き締めたい時に向いていますよ。

砂利の色見え方合わせやすい主役
白っぽい色明るく、すがすがしい景石、もみじ
灰色・青みがかった色落ち着いた、水辺のような印象つくばい、苔
黒っぽい色きりっと締まった印象竹、明るい色の景石
茶色・黄みがかった色やわらかく、温かい印象木や下草の多い景色

迷ったら、家の外壁や窓枠の色と合わせて選んでみてください。建物となじむ色を選ぶと、坪庭だけが浮いて見えることがありません。

砂利で水の流れを表す枯山水の作り方は、坪庭に枯山水を作る方法で紹介しています。

苔は「場所の湿り気」で考えます

苔は、和風の坪庭らしいしっとりした雰囲気を出してくれます。

東山動植物園の解説によると、コケ植物は分類上「蘚苔類」と呼ばれ、日本には約2000種あるといわれています。神戸大学の発表では、コケ植物は根を持たず、「仮根」と呼ばれる器官があると説明されています。

広島大学デジタル自然史博物館の解説では、コケ植物は体が小さいので、わずかでも生育に合った環境があれば生えてくるとされています。一方で、砂漠や塩水がかかる海の近くではあまり見られないそうです。

つまり、苔が育つかどうかは、その場所の環境しだいなんです。乾きやすい場所か、湿り気が残る場所かを、作る前に見ておきましょう。

木は「育った時の姿」で選びます

坪庭の木は、植えた時の大きさより、育った時の姿で選ぶのが大事です。

小さな苗でも、年月がたつと窓の前をふさぐほど大きくなることがあります。和風の坪庭でよく使われるのは、もみじや竹、トクサなどですね。

大阪市立長居植物園の図鑑では、イロハモミジは日本の山地から平地に広く自生する、もっとも一般的なカエデとして紹介されています。関市の解説では、紅葉の時期は11〜12月とされています。

もみじの選び方や育て方は、坪庭にもみじを植えるで紹介しています。

竹を植える時は地下茎に注意

林野庁の解説によると、竹は地下茎の節から新しい竹を出し、地下茎が1年に5m伸びた記録もあるそうです。狭い坪庭に地植えする時は、広がりすぎないように根の範囲を区切る方法も考えておきましょう。

添景物は「1つ」にしぼります

灯籠やつくばい、竹の垣根などの添景物は、景色に意味や音を加えてくれます。

ただ、小さな坪庭に2つも3つも置くと、置物を並べた棚のように見えてしまうことも。主役にするか、引き立て役にするかを決めて、1つにしぼるのがおすすめです。

タカショーのプロ向け公式サイトには、和風ガーデングッズ・坪庭のカテゴリがあり、ミニサイズの合成竹の垣根や、筧、ししおどし、つくばいなどが掲載されています。「小空間に和の世界を創り出す坪庭」に向けたミニ坪庭用グッズとして紹介されているので、選ぶ時の参考になりますよ。

つくばいやししおどしの置き方は、坪庭のつくばい・ししおどしで紹介しています。

主役で選ぶ、和風坪庭の3つのパターン

先に結論

和風の坪庭は「石が主役」「苔と木が主役」「水の添景物が主役」の3つのパターンから選ぶと、迷わず作れます。手入れにかけられる時間と、どこから眺めるかで選んでみてください。

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

5つの要素を知ったら、次は「何を主役にするか」を決めましょう。主役が決まれば、ほかの要素の選び方も自然に決まってきます。

和風坪庭を石が主役・苔と木が主役・水の添景物が主役の3パターンに分けた図解
パターン主役引き立て役雰囲気手入れの手間
石が主役景石・砂利低い下草を少しきりっと静かな景色少なめ。落ち葉と雑草を取る程度
苔と木が主役苔・もみじや竹景石を1つしっとりした山里の景色多め。水やりや剪定が必要
水の添景物が主役つくばい・筧苔・低い植栽水の音が聞こえる景色中くらい。水回りの掃除が必要

石が主役のパターンは、手入れを少なくしたい人に

石と砂利を中心にした景色は、植物が少ない分、手入れの手間が少なく済みます。

共働きで、庭の手入れに時間をかけにくい家庭に向いていますね。日当たりがあまり良くない坪庭でも、景色を作りやすいパターンです。

苔と木が主役のパターンは、季節を楽しみたい人に

もみじの新緑や紅葉、苔の緑を楽しむ景色は、季節の変化がいちばん感じられます。

『でも、水やりや剪定が続けられるかな』と心配になりますよね。木は1本にしぼり、苔は石の根元だけにするなど、範囲を小さくすると続けやすくなりますよ。

水の添景物が主役のパターンは、音も楽しみたい人に

つくばいや筧を主役にすると、水の流れる音まで楽しめる坪庭になります。

和室や浴室の近くなど、静かに過ごす場所の外に作ると、音の心地よさが生きてきます。水を使う場合は、電源や給排水の位置もあわせて考えておきましょう。

広さ別に、パターンの向き不向きを見ておきましょう

同じパターンでも、坪庭の広さによって作りやすさが変わります。

広さの目安石が主役苔と木が主役水の添景物が主役
畳1枚ほど作りやすい。石1つと砂利で十分木は小ぶりなもの1本まで小さなつくばいなら置ける
1坪前後景石と飛び石を組み合わせられる木1本と苔の組み合わせが作りやすい筧とつくばいをセットで置ける
2〜3坪石を2〜3個組み合わせて景色を作れる木を2本ほど植えて奥行きを出せる水の周りに植栽を添えられる

『うちは畳1枚くらいしかないけど、和風にできる?』という方もいるかもしれません。

十分にできますよ。狭い場所ほど石が主役のパターンが作りやすく、景石1つと白い砂利だけでも、和の空気がしっかり生まれます。

石を置く時は「三角形」を意識します

石を2つ以上置く時は、上から見て不ぞろいな三角形になるように置くと、自然な景色になりやすいです。

一列に並べたり、同じ大きさの石を等間隔に置いたりすると、人の手で並べた感じが強く出てしまいます。大・中・小と大きさを変えて、間隔にも変化をつけてみてください。

木と石の関係も同じです。木の根元から少し離れた位置に石を置き、苔でつなぐと、一つのまとまった景色に見えますよ。

自分に合うパターンを選ぶチェック
  • 手入れに使える時間は月に何回くらいかを考える
  • 日が当たる時間帯を見て、苔や木が育ちそうか確かめる
  • 季節の変化と、静かな景色のどちらを楽しみたいかを決める
  • 水の音を楽しみたいか、電源や水道が近くにあるかを見る

和風の坪庭を作る手順

先に結論

和風の坪庭づくりは、見る場所を決める、下地と水はけを整える、石を据える、木を植える、苔と砂利で仕上げる、という順番で進めます。大きいものから置いていくのがコツです。

ここからは、実際に作る時の流れを見ていきましょう。

和風の坪庭を作る手順を、見る場所決めから砂利の仕上げまで順に示した図解
和風坪庭を作る流れ
  1. 窓や通路など、どこから眺めるかを決めて写真を撮っておく
  2. 雑草や石ころを取り除き、地面をならして水はけを確かめる
  3. 主役の石の位置と向きを決めて据える
  4. 木を植え、育った時に窓をふさがないかを確かめる
  5. 苔や下草を植え、最後に砂利を敷いて仕上げる

窓から見た写真で、配置を考えると失敗しにくい

配置を考える時は、実際に眺める窓から写真を撮って、その上に石や木の位置を描き込んでみてください。

上から見た図だけで考えると、窓から見た時に石が木に隠れてしまうこともあります。見る場所からの景色で考えるのが、和風の坪庭づくりの近道です。

置く順番は「大きいものから」

石、木、苔、砂利の順に、大きく重いものから置いていきます。

先に砂利を敷いてしまうと、あとから石を動かすたびに砂利が混ざってしまいますよね。苔を先に植えると、作業中に踏んで傷めてしまうことも。

よくある失敗

石を真っすぐ立てて並べると、置物のように見えてしまいます。石は少し傾けたり、一部を土に埋めたりすると、もとからそこにあったような自然な景色になります。

自分で作るか、業者に頼むか

砂利を敷く、低い植物を植える、小さな石を置くといった作業なら、自分で進めることもできます。

一方で、大きな景石の据え付けや、水はけを良くするための下地づくり、つくばいの給排水の工事などは、慣れていないと難しい作業です。こうした工事が必要な時は、外構や庭づくりの業者に相談すると安心ですよ。

相談する時は、こんなふうに伝えると話が進めやすくなります。

「和室から眺める、石が主役のさっぱりした坪庭にしたいです。景石の据え付けと水はけの工事だけお願いして、砂利と苔は自分で仕上げたいです」

自分でやる部分と頼む部分を分けて伝えると、見積もりの内容も比べやすくなりますよ。

坪庭ドットコム

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下地づくりや石の据え付け、水や照明の工事、ウッドデッキとの組み合わせ。自分では難しい部分だけでも任せると、思い描いた景色に近づきます。まずは複数の業者のプランと見積もりを比べてみましょう。

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和風の坪庭を長く楽しむ手入れのコツ

先に結論

和風坪庭の手入れは、季節ごとにやることが決まっています。落ち葉と雑草をこまめに取り、木は大きくなりすぎる前に整えるのが、景色を保つコツです。

作ったあとの手入れも、少しだけ見ておきましょう。

坪庭は囲まれている分、落ち葉が溜まりやすく、苔の上に積もると蒸れてしまうことがあります。こまめに取り除いてあげるだけでも、景色はずいぶん長持ちしますよ。

季節やっておきたいこと
春苔の上の落ち葉や枯れ枝を取る。新芽の様子を見る
梅雨水はけを確認する。雑草が増え始めたら早めに抜く
夏乾きやすい日は苔の様子を見る。強い日差しが当たる場所に注意
秋落ち葉をこまめに取る。もみじの紅葉を楽しむ
冬落葉した木の枝ぶりを見て、混み合った枝を整える

『剪定はどのくらいやればいいの?』と迷う方も多いはずです。

坪庭の木は、窓の前をふさぎそうになったら、混み合った枝から少しずつ整えるのが基本です。脚立が必要な高さになったら、無理をせず専門の人に相談するのも一つの方法ですね。

手入れの時間が取れない時は、作り方で手間を減らせます

『作ったはいいけれど、手入れが続かなかったらどうしよう』と不安な方もいますよね。

実は、和風の坪庭は作る段階の工夫で、手入れの手間をかなり減らせるんです。

手入れを楽にする作り方の工夫
  • 砂利の下に防草シートを敷いて、雑草を生えにくくする
  • 苔を広げる範囲は、石の根元など小さな場所にとどめる
  • 落葉樹は1本までにして、ほかは常緑の植物にする
  • 手入れの時に出入りできる通路や足場を残しておく
  • 水を使う添景物は、掃除しやすい位置に置く

例えば、平日は手入れの時間が取れない家庭なら、週末に落ち葉を拾う程度で済む「石が主役」の坪庭にして、季節の木を1本だけ添える形が続けやすいですよ。

砂利の上の汚れも景色のうち

白い砂利は、落ち葉や土で汚れると目立ちやすくなります。ほうきで軽く掃いたり、汚れた部分だけ入れ替えたりすると、明るい景色が保てますよ。

和風の坪庭づくりのよくある相談

先に結論

Yahoo!知恵袋には、小さな庭に植えたい木の組み合わせや、下草が育たない悩み、和室から眺める庭の作り方についての相談が寄せられています。

和風の坪庭づくりについてよく見かける相談から、3つ選んで答えますね。

2坪ほどの場所に、梅や紫陽花を植えた和風の庭を作りたい

2坪ほどの敷地に、梅や紫陽花など好きな植物を植えて和風の庭を作りたい、という相談です。

植えたいものがたくさんあると、迷ってしまいますよね。ただ、2坪ほどの広さに木を何本も植えると、育った時に窮屈になります。

主役の木を1本決めて、ほかは低い植物にするのがおすすめです。例えば梅を主役にするなら、足元は苔や下草、景石1つで引き立てると、和風の景色にまとまりますよ。

3坪ほどの和風の庭に植えたタマリュウが育たず、雑草が生えてくる

和風の庭の一面にタマリュウを植えたのに、なかなか広がらず、すき間から雑草が生えてきて見苦しい、という相談です。

下草で地面を覆うのは時間がかかるので、すき間から雑草が出てくるのはよくあることなんです。

植え替える前に、日当たりと水はけを見直してみてください。全面を植物で覆うのが難しい場所なら、一部を砂利や石に置き換えて、植物の範囲を小さくする方法もあります。

和室から眺める庭を、さっぱりした和風にしたい

和室から眺める横長の庭を、すっきりした印象の和風の庭にしたい、という相談です。

さっぱり見せたい時は、石が主役のパターンが向いています。白っぽい砂利を広めに敷き、景石と低い植物を少しだけ置くと、和室から見て落ち着いた景色になりますよ。

和室に座った時の目線で、石や木がどう見えるかを確かめながら配置してみてください。

よくある質問

和風の坪庭に向いている木は何ですか?

もみじや竹、トクサ、椿の仲間など、育った時の大きさが坪庭に合うものが向いています。植える前に、育った時の高さと広がり方を確かめておきましょう。

和風坪庭に灯籠は必要ですか?

なくても大丈夫です。石と苔、木だけでも十分に和の雰囲気は出せます。灯籠を置くなら、ほかの添景物と重ならないように1つにしぼりましょう。

日当たりが悪くても和風の坪庭は作れますか?

作れます。石が主役のパターンにしたり、白っぽい砂利で明るく見せたりすると、日陰でも景色を作りやすくなります。

和の坪庭を、洋室から眺めても違和感はありませんか?

素材の色をしぼれば、洋室から眺めてもなじみます。黒や灰色の砂利、直線的な石を取り入れた和モダンの坪庭も選択肢になりますよ。

苔はどこで手に入れればいいですか?

園芸店やホームセンターなどで扱っていることがあります。自然の中の苔を勝手に持ち帰るのは避け、販売されているものを使いましょう。

和風とモダンの素材を組み合わせたい方は、和モダンの坪庭も読んでみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 和風の坪庭は、石・砂利・苔・木・添景物の5つの要素でできている
  • 小さな坪庭ほど、主役を1つ決めてほかは引き立て役にする
  • 「石が主役」「苔と木が主役」「水の添景物が主役」の3パターンから選ぶと迷いにくい
  • 作る時は、大きく重いものから順に置いていく
  • 落ち葉と雑草をこまめに取り、木は大きくなりすぎる前に整える
坪庭ドットコム

坪庭ドットコム 編集部

坪庭の意味と由来、和風・和モダン・洋風などのスタイル、広さや場所に合わせた作り方、石や植物の選び方、手入れ、業者に頼む時の費用と流れを、公的機関や公式サイトの公開情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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